3年間続いた竣工ラッシュは終わり、大幅供給抑制へ
そして2023年から再び巨大プロジェクトが姿を現す
関係者必見のオフィスビル開発動向
2020年は大型ハイグレードビルを中心として、2018年から3年間続いたオフィスビル大量供給に加え、「虎ノ門ヒルズ」駅、「高輪ゲートウェイ」駅などの新駅開業により交通網にも変化の兆しがあった。コロナ禍を経て、逼迫していたオフィスマーケットは今年3月期をピークに賃料相場、空室率ともゆるやかに転換している。それでもなお、今年9月期の調査では、いずれのグレードにおいても空室率は1%以下となっている。今後、コスト意識の高まりから、グレードAのオフィスの空室率は2021年にかけてなだらかに上昇することが予想される。2021年、2022年には、オフィスの新規供給量はこれまでと一変、過去の平均を下回る低い水準となり、2021年竣工予定ビルにおいては70%を超える床がすでに内定している。 2023年以降は、再び虎ノ門、渋谷、浜松町、そして高輪ゲートウェイ新駅周辺などで巨大プロジェクトの竣工が続く。2025年以降の開発計画も相次いで発表される中、今後、移転を予定する企業にとって、オフィス戦略は難しさを増すことが予想される。
本稿をご覧いただくに当たり、以下、ご留意いただきたい。
各開発はテナント募集がなされないものやすでに終了しているもの、また、都市計画決定はもとより開発構想さえ未定なものまで千差万別であり、規模、面積、竣工年等、大きく変更になる可能性がある。また、当編集部では常に開発案件の最新情報を収集しており、お気づきの点があれば下記までご連絡いただきたい。
CBRE「BZ空間」編集部 Mail:Contact@cbre.co.jp
凡例
1 掲載した開発は、プレスリリース、報道発表、Web、現地建築看板等をもとに調査した2020年1月以降の竣工・竣工予定のオフィスビル。おおむね延床面積2,000坪以上を目途に選定している。
2 正式なビル名称決定前の表記に関しては、編集部が設定した略称としている。特に「市街地再開発」「開発」「計画」「プロジェクト」「建替」等の表記については重複を避け簡略化した。ただし、事業者発表の開発名称が正式ビル名称と紛らわしい場合にのみ(仮称)と表記している。
3 延床面積、基準階面積とも編集部が把握しているもので、数値は延床面積が十の位四捨五入、基準階面積が一の位四捨五入の概数。住宅等との複合開発に関しては、できる限り業務棟のみの面積としている。
4 地図へのプロットは竣工年別に掲載。各年のビルプロットの色は以下の通り。